採取方法
1. 検体の採取
- 摘出した組織は、できる限りすべてをご送付ください。弊社で診断に必要な部位を切り出して検査いたします。
- 注射針で採取する皮膚腫瘤や鉗子で採取する消化管粘膜は、患者の状態を勘案しながら、できるだけ複数片を採取してください。病変から得られる情報が増え、的確な診断に結びつきます。
- 採取した組織は、そのまま固定液入りの容器(採取物が確認できる、透明な容器が望ましい)へ入れてください。ガーゼ・紙などには包まないでください。
- 採取部位の区別が必要な場合には、複数の容器に分けて固定し、容器には採取部位を明記してください。
- 固定をせず生理食塩水へ浸漬して送付された組織や、冷凍保存された組織では検査不能となる場合があります。また、チルド送付の必要はございませんので留意ください。
- 検査終了後の残存臓器は、弊社にて3ヶ月間保管しております。返却は有料にて承っております。
2. 固定
- 固定液は10~20%ホルマリン水溶液(市販のホルマリン原液を水道水で5~10倍に希釈)をご使用ください。
- 摘出後できるだけ速やかに固定液に浸漬してください。固定液の量は、固定物の10倍が目安です。
採取組織に対して少ない固定液
適量の固定液
- 血液が大量に付着していると固定が妨げられる場合がありますので、固定前に水道水(生理食塩水ならなお可)で軽く洗い流すか、ガーゼ・紙などで拭き取ってください。固定液の中には、ガーゼ・紙などは入れないでください。
- 大きい腫瘤でも割を入れる必要はございません。固定が不十分な場合には、弊社で追加固定を行いますのでご安心ください。
3. 送付
- 弊社では、送付用の容器をご用意しておりますが、検体の大きさなどによって容器に入らない時などは、他の容器あるいは厚手のビニール袋をご使用いただいてもかまいません(ビニール袋をお使いの際は、袋を2重・3重に重ねるなどの十分な包装をお願いいたします)。なお、検体送付時の容器は返却できませんので、ご了承ください。
弊社でご用意している送付用容器に検体が入りきらない為、他の容器を使用した検体送付例。摘出臓器は固定後硬化しますので、なるべく広口の容器をご使用ください。
厚手のビニール袋を使用しての包装例。ホルマリンが漏れ出る事が無い様ご注意ください。
- 輸送中に固定が進みますので、固定液に浸漬した組織はすぐに送付できます。受領時に固定が不十分な場合には弊社にて追加固定後標本作製に取りかかります。
- 送付検体容器には、病院名と患者名を明記してください。送付の際には、容器から固定液が漏れ出ないよう、充分に包装してください。
- 各社宅配便もしくは郵便小包でご送付ください。定形郵便での送付はできません(郵便局でローラーにかかり、ガラスが割れてしまうため)。定形外郵便での送付は可能ですが、輸送時の事故についての保証がありませんので、ご承知おきください。なお、送付費用はご負担願います。
4. 弊社での検体受領
- ご送付いただきました検体の弊社到着予定日が、弊社定休日(土曜・日曜・祝祭日)であっても受領は可能です。但し、検査の受付は、翌営業日となります。
- 受領した検体について確認事項(患者名や飼主様名の再度確認など)が発生した場合、お電話で確認させていただく場合もございますので、ご了承ください。